隣の席の室井くん①



「い、いきなり何を言うかなこの人は!!」

「変なこと言ったかなぁ?」

「変なこと言ったよ!!」



ズレてる感があるなって今さっき思ったばっかだったけど、アタシが可愛いだなんてズレてることこの上ない!



「だってさっき日吉さん、松坂さんのこと”可愛い”って言ってたでしょう?俺も日吉さんは可愛いって思うから言っただけなんだけどなぁ」



にへら、と頭を傾げながらも笑ってサラリとそんなことを言ってのける室井くんにアタシは目が点になる。



「む、室井くんって…変!!」



アワアワとなるアタシは
室井くん相手に真っ赤になっていた。


だだだだって!!


生まれてこのかた男子に”可愛い”だなんて言われたことなんかないもの!!

照れる!!!どう反応したらいいんだ!!!



「変かなぁ?そ~かなぁ?ん-…そんなことないのになぁ」



ブツブツと言いながら頭を傾げる。


いやいや純。落ち着いて。
惑わされちゃ駄目よ。


相手は謎多き不思議っ子室井である。


少し不思議思考の持ち主だからきっとそんなことを言うのね。


そうね、落ち着けアタシ!!!