平安物語【完】




御寝所へ入ると、すぐに尚仁様が立ち上がってこちらへいらっしゃいます。

私はそのお姿を見て想いが溢れ出し、初めて尚仁様の御胸に飛び込みました。


お会い出来なかった寂しい想い

気まずい関係を申し訳なく思う想い

宮様のご出産を案じる想い

そして何より、
頭中将殿を恐れる想い