息ができない。
空気が、まるで水のように重たくて、吸い込むたびに喉が焼ける。
目の前が霞む。
けれど、閉じたくない。
まだ誰か、残っていないかもしれない。
誰かの「大丈夫ですか?」の声が、どこか遠くで響いている気がした。
でももう――だめかもしれない。
ごめんなさい。
もっと、ちゃんと笑っていたかった。
もっと、誰かに「ありがとう」って言いたかった。
まだ、やりたいことがあったのに。
指先が冷えて、心臓の音が遠ざかっていく。
――そのとき。
胸に、確かな熱が触れた。
光と音と、あたたかい声が、ぐしゃぐしゃになって舞い込んできた。
“舞香さん”と、誰かが呼んだ。
忘れかけていた自分の名前が、救命具のように浮かび上がった。
空気が、まるで水のように重たくて、吸い込むたびに喉が焼ける。
目の前が霞む。
けれど、閉じたくない。
まだ誰か、残っていないかもしれない。
誰かの「大丈夫ですか?」の声が、どこか遠くで響いている気がした。
でももう――だめかもしれない。
ごめんなさい。
もっと、ちゃんと笑っていたかった。
もっと、誰かに「ありがとう」って言いたかった。
まだ、やりたいことがあったのに。
指先が冷えて、心臓の音が遠ざかっていく。
――そのとき。
胸に、確かな熱が触れた。
光と音と、あたたかい声が、ぐしゃぐしゃになって舞い込んできた。
“舞香さん”と、誰かが呼んだ。
忘れかけていた自分の名前が、救命具のように浮かび上がった。



