カーテンの隙間から見える夜空は、まだ分厚い雲に覆われていた。
雷は遠ざかり、雨脚も弱まってきたけれど、停電はなおも続いたまま。
部屋には、非常用ランタンのやわらかな灯だけが静かに揺れていた。
舞香はソファにブランケットをかけて座り、スマホの画面を時折覗いては伏せる、を繰り返していた。
(……来ないな、連絡)
不安になってはいけない。
分かってる。彼は今、命を救う最前線にいる。
私の不安なんて、届けるべきじゃない。
それでも、何度目かにスマホを確認したその瞬間――
ふっと通知の灯が点いた。
《朝比奈海斗》
「……っ」
その名だけで、全身が震える。
「今、無事に帰署した。舞香は大丈夫か?」
画面の文字をじっと見つめ、ゆっくりと涙がこぼれた。
その震える指で、彼に返信する。
「私は大丈夫。少し怖かったけど、今はもう落ち着いてます。
無事でよかった……おつかれさま、海斗さん」
少しして、彼からの返信が届く。
「深夜中にそっちに行く。顔、見たい」
(……うん、待ってる)
声に出さずに呟いた言葉は、自分の胸の奥へと沈んでいった。
夜の静けさに包まれながら、舞香は眠れずに1人ブランケットにくるまっていた。
⸻
雷は遠ざかり、雨脚も弱まってきたけれど、停電はなおも続いたまま。
部屋には、非常用ランタンのやわらかな灯だけが静かに揺れていた。
舞香はソファにブランケットをかけて座り、スマホの画面を時折覗いては伏せる、を繰り返していた。
(……来ないな、連絡)
不安になってはいけない。
分かってる。彼は今、命を救う最前線にいる。
私の不安なんて、届けるべきじゃない。
それでも、何度目かにスマホを確認したその瞬間――
ふっと通知の灯が点いた。
《朝比奈海斗》
「……っ」
その名だけで、全身が震える。
「今、無事に帰署した。舞香は大丈夫か?」
画面の文字をじっと見つめ、ゆっくりと涙がこぼれた。
その震える指で、彼に返信する。
「私は大丈夫。少し怖かったけど、今はもう落ち着いてます。
無事でよかった……おつかれさま、海斗さん」
少しして、彼からの返信が届く。
「深夜中にそっちに行く。顔、見たい」
(……うん、待ってる)
声に出さずに呟いた言葉は、自分の胸の奥へと沈んでいった。
夜の静けさに包まれながら、舞香は眠れずに1人ブランケットにくるまっていた。
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