シュガーラテ──命を救う腕に、甘えたくなる午後がある

「……全部、って……そういう言い方、ずるい」

顔を伏せながら、布団に顔を埋める舞香。

海斗はそんな彼女の髪を優しく撫でて、
肩口からそっと顔を覗き込んだ。

「じゃあ――今から、続きする?」

「……っ、い、いま?」

「だって、昨日のぶん。ちゃんと、埋めないと」

その声は低く、けれどやさしくて。
確かに彼女を“欲しい”と伝える、熱を帯びていた。

「朝だよ……」

「朝だから、いいんじゃない? 光の中で、舞香の顔がよく見える」

「……そんなの、恥ずかしいに決まってるじゃん……」

そう言いながらも、彼女の瞳は逸らせなくて。

海斗はゆっくりと顔を近づけ、
額に、鼻先に、唇に――そっと触れた。

「じゃあ、まずは……昨日できなかった、これから」

そう言って、彼は舞香の頬にやさしく手を添え、
深く、ゆっくりとしたキスを交わす。

とろけるような、けれど焦らすような。
唇が離れては、また触れる。

「……んっ」

甘く、長く、熱を孕んだ吐息。

「……まだ、足りない?」

「……うん」

「じゃあ、もうちょっと……ね」

キスは再び、深くなっていく。

舌先が触れ合い、ぬるく絡む。
唇の形が崩れるほど密着して、
ふたりの呼吸が絡まりあう。

その間にも、彼の手は舞香の背に回され、
肌の上からそっと撫でるように、愛情を注ぐ。

「舞香の全部、ちゃんと……もらうから」

囁く声が、耳の奥に響いた。

――今度こそ、途中でやめない。
そんな約束のような言葉。

舞香はただ、小さく頷いた。

朝の静けさのなかで、
ふたりだけの甘い時間が、ゆっくりと始まっていく――