シュガーラテ──命を救う腕に、甘えたくなる午後がある

海斗の指がそっと頬を撫でる。
そのぬくもりに、舞香のまぶたがふるえるように閉じた。

「怖くない?」

「……ううん。むしろ、安心する」

海斗の手が、舞香の髪を優しくかき上げる。
唇が、今度は頬に、顎先に、そして――再び、唇に。

柔らかく、長く、けれど決して激しくはない。
まるで、「愛してる」の代わりに何度も重ねるような、そんなキス。

舞香の指が、彼の胸元にそっと触れる。

「ねぇ……こうしてると、本当に全部どうでもよくなる。
仕事のことも、不安だったことも、どこかへいっちゃう……」

「それは……俺がもっと、感じさせたいと思ってることだよ」

海斗は舞香の手を取って、自分の頬にあてがった。
その手の温度が、静かにふたりの間の温度を上げていく。

「……もっと近くにいてもいい?」

「……いいよ」

その言葉を聞いた瞬間、舞香の身体はやわらかく海斗の胸に引き寄せられた。
包み込まれるように抱きしめられ、
背中をゆっくりと撫でられる感触に、舞香は目を細める。

「……海斗さんの匂い、好き」
「そんなこと言ったら……もっと離れられなくなるぞ」

ふたりの体温が、言葉より確かに、愛を伝えていく。
夜の灯りがふたりを柔らかく包み、
静かで、とろけるような時間が、そっと流れていった。