月曜の朝、Cafe Lierre(カフェ・リエール) はいつも通りの開店準備に追われていた。
舞香は慣れた手つきで食器を並べながら、
ふと、指先が止まる。
(……ほんとに、朝からずるいんだから)
つい数時間前の、
海斗の腕の中――
耳に落ちた、あの甘いキスの感触。
(……また震えた)
優しく、でも確かにふれてくる彼の唇。
なにもしてないはずなのに、
身体の奥が、ふっと熱を持つ。
「……っ」
思わず首筋をさする。
感覚がまだ、そこに残っている気がして。
「舞香、なに? 今の反応……なんかゾワッとしてたよ」
背後から香奈衣の声。
「え、あ……なんでも、ない……です」
「なんでもないって顔じゃないけど?」
「な、ないですっ!」
顔を赤くしながら否定する舞香に、
香奈衣はじっと目を細めて――そしてふっと笑った。
「へえ。そういうの、顔に出るタイプなんだ」
「……出てないです」
「出てる出てる。
ま、隠すならもっと上手にやんなよ、舞香」
言葉はぶっきらぼうだけど、
その声音には、少しだけあたたかさがあった。
舞香は返事の代わりに、
トレーの上のコーヒーカップをそっと並べ直す。
(……もう、隠せないのかも)
でもそれでもいい、と思えた。
昨日の夜、何度も耳元で名前を呼んでくれた人を思いながら。
ほんの少し、体がまた震える。
それは、恋の余韻――
そして、これから続いていく甘さの前触れだった。
舞香は慣れた手つきで食器を並べながら、
ふと、指先が止まる。
(……ほんとに、朝からずるいんだから)
つい数時間前の、
海斗の腕の中――
耳に落ちた、あの甘いキスの感触。
(……また震えた)
優しく、でも確かにふれてくる彼の唇。
なにもしてないはずなのに、
身体の奥が、ふっと熱を持つ。
「……っ」
思わず首筋をさする。
感覚がまだ、そこに残っている気がして。
「舞香、なに? 今の反応……なんかゾワッとしてたよ」
背後から香奈衣の声。
「え、あ……なんでも、ない……です」
「なんでもないって顔じゃないけど?」
「な、ないですっ!」
顔を赤くしながら否定する舞香に、
香奈衣はじっと目を細めて――そしてふっと笑った。
「へえ。そういうの、顔に出るタイプなんだ」
「……出てないです」
「出てる出てる。
ま、隠すならもっと上手にやんなよ、舞香」
言葉はぶっきらぼうだけど、
その声音には、少しだけあたたかさがあった。
舞香は返事の代わりに、
トレーの上のコーヒーカップをそっと並べ直す。
(……もう、隠せないのかも)
でもそれでもいい、と思えた。
昨日の夜、何度も耳元で名前を呼んでくれた人を思いながら。
ほんの少し、体がまた震える。
それは、恋の余韻――
そして、これから続いていく甘さの前触れだった。



