シュガーラテ──命を救う腕に、甘えたくなる午後がある

窓の隙間から、朝の光が静かに差し込む。

布団の中は、まだ昨夜の温度を残していた。
舞香の頬が、寝起きの熱でうっすらと染まっている。

ゆっくりまぶたを開けると、隣に海斗がいた。
眠っていると思っていた彼が、微笑む。

「……おはよう、舞香」

低くて、少し掠れた声。
その声だけで、また身体が熱を帯びていく。

「……おはよう、海斗くん」

「……名前、もっと呼んで。
昨日の夜、俺、舞香にいっぱい呼ばれて……
たぶん、夢の中でも聞いてた」

「や、そんな……」

「かわいかったよ。震えながら、“海斗くん”って。
何度も、何度も」

舞香は、顔を布団に埋めてしまいたくなるほど真っ赤になる。

「……もう、やだ……っ」

「だめ。ちゃんと顔見せて。……朝から、とろけさせたいんだよ、舞香のこと」

「海斗くん……ほんとに、そういうとこ……ずるい」

「ずるいくらいがちょうどいい。
……ほら、またちゅってしていい?」

「だ、め。朝からそれは……んっ」

言い終える前に、
頬に、額に、そして首筋に――
ふわりと触れるやさしいキス。

「ちゅ……ん、ちゅぅ……」

舞香の身体がまたふるえる。

「舞香、昨夜……俺を全部、受け入れてくれてありがとう。
ちゃんと覚えてる? 俺が、どれだけ“好き”って言ったか」

「うん……覚えてる。
あんなに言われたの、初めてかも」

「じゃあ、今日も言う。毎日言う。
舞香が、ちゃんと笑えるように」

もう一度、キス。

ふたりの朝は、
やわらかく、ゆっくりと始まっていく。