ヒロ君が来てくれたおかげで、その女は拳を下ろした。


「お前ら、何やっとんや?」


ヒロ君が聞くと、不良達は何もやってないよ~なんてごまかしていた。


すると、そのうちの1人が


「風がヒュ~、ヒュ~」


なんて、ヒロ君をからかってた。


・・・それは一体、何なわけ??


私はそんなことを一瞬思ったけど、その不良達を無視してそのまま教室に向かった。


体育館の前を通るとき、ゆぅ君達の姿が見えた。


私に気付いた二人が私の方に来ようとしていたけど、私は二人に目もくれず教室へ急いだ。


・・・こんな姿見せたくなかったから。


そして、迷わず千絵のところに行った。


「千絵~!!」


そんな私の姿を見て千絵が言った。


「桃子、どうしたの?何かあった?」


私は千絵に抱きついて泣いてしまった。


そして、さっきあったことを話した。

美鈴ちゃん達のこと、2年の不良達のこと。


何で、私ばかりこんな目に合わないといけないの?


ただ、ゆぅ君が好きなだけなのに・・・。


千絵は大丈夫、大丈夫と言って私を慰めてくれた。


千絵は今日、なつと3人で一緒に話そうと言ってくれた。