私、全然知らなかった。

だってあの頃の私は健ちゃんやゆぅ君と接点なんて・・・何もなかったし。


私は自分のことで精一杯だったから。

健ちゃんが学校来てなかったことも、荒れてたことなんて知らなかった。


「でもな、あいつ、3年になって落ち着いてきただろ?あれって水嶋のおかげなんやで!!」

「えっ?何で??私のおかげって・・・」


私はびっくりして聞いてみた。


「なんか、水嶋と仲良くなって学校が楽しくなったって言うてたし・・・。俺もそう思うしな・・・」


ゆぅ君の言葉が嬉しかった。


この時の、私は・・・。


ただ、純粋に二人と仲良くなれたことが嬉しかったんだ。


だけど、私は照れ臭くて何も言えなかった。


ゆぅ君は話を続けた。


「荒れてた時は、ケンカもしょっちゅうで言い寄ってくる女は全部受け入れてたし。それが、水嶋と仲良くなって落ち着いて。最近、女も出来たし。今のあいつの女ってどんなんか知りたいか?」


ゆぅ君はそう言って私を見た。


「えっ?知りたい!!どんな子なの?」


私の返事を聞いてゆぅ君は嬉しそうに笑った。


「T高の奈々って子。あいつの女がT高ってマジで凄くねぇ?」


私はびっくりして笑ってしまった。


だって、T高ってこの辺りじゃ一番頭のいい学校だよ?

そんな女の子と健ちゃんが付き合ってるなんて・・・。