あの日、ゆぅ君と二人で話してから、私達はよく一緒にいるようになった。


ゆぅ君は私が思っていたよりもよく話す人だった。


クールで、硬派で男前。

ずっとそんな風に思ってた。

まぁ、それは今も変わりはしないけど。


話してることといえば、いつも健ちゃんのことばっかりなんだけどね。

最近じゃ、健ちゃん抜きで二人で一緒にいることも増えた。


前みたいに倉庫の裏に隠れて・・・なんてことはもうしてない。

教室だったり、下駄箱だったり、中庭だったり・・・。


でもね、いつも決まって健ちゃんの話。



「ねぇ、健ちゃんってさ・・・」


今日も、私のこんな言葉から始まる。


「健二がどうかしたか?」


ゆぅ君が私の顔を覗き込む。


私はちょっと気になってることを聞いてみた。


「健ちゃんって、薫ちゃんと別れたの?」

「えっ??水嶋知らねぇの?」


ゆぅ君はびっくりした顔で聞いてきた。


「えっ?何が?」

「あいつら、とっくに別れとるし。俺ら2年になってすぐぐらいに・・・」

「そうなの?全然知らなかった。健ちゃん、自分のことはあんまり話してくれないし・・・」

「健二、2年になってからほとんど学校来てなかっただろ?あぁ見えてあいつ、結構荒れてたんや」


ゆぅ君は真剣に話してくれた。

健ちゃんが薫ちゃんと別れてたこと。


もう、ずっと前に・・・。