「ただいま~」

ゆぅ君の声が玄関から聞こえる。

私は慌てて、玄関に走る。

「おかえりなさい~」


一日の中で、一番好きな時間。

こうして、ゆぅ君が帰ってきてから、
一緒に晩御飯を食べる。


「おっ、今日はハンバーグか!」

ゆぅ君がそう言って食卓に目をやる。

「今日は、たぶんおいしいと思う・・・」

本当は、あんまり自信ないけど・・・。


一緒に住むようになってから、
今日で3日目。


昨日も一昨日も、晩御飯は失敗した。


本当にまずかったけど、ゆぅ君は全部
残さず食べてくれた。

私は、自分が作ったにも関わらず、まずい
まずいと言って、お茶で流し込みながら、
やっとのことで全部平らげた。



「ゆぅ君から、先食べてみて」

「おぉ~」

ゆぅ君が、ハンバーグを一口パクリと
口に運んだ。


「・・・どう?」

「・・・ってか、超うめぇよ~!!」

「本当?」

私は、信じられなくて、何度も聞いてしまう。


「うん。マジで、美味い!
 水嶋も早く食べてみろって!」

ゆぅ君にそう言われて、恐る恐る
食べてみた。

そんな私を見て、ゆぅ君は笑ってる。


「本当だ、美味しい!!」

「大成功だな!」

「良かったぁ~!
 明日もハンバーグにしよっかな!」


私がそんなことを言うと、毎日はさすがに
きついだろ~ってゆぅ君が笑った。


こんな、毎日がすごく楽しい。

一緒に住み始めて、ますます
ゆぅ君のことが好きになった。