修学旅行も終わって、運動会も終わって、文化祭も終わって・・・。


あと私達に残されている行事は、「入試」だけになったある日の掃除の時間。



私はいつものように2組の教室にいた。


この頃、私は掃除の時間になるといつも2組にいた。

千絵の掃除を手伝うために・・・。


自分の掃除なんてしてなかった。


2組にはヒロ君もいたし、掃除の時間でさえ楽しかった。



「何や、水嶋また来てるんか?自分の掃除しろよ~」

「大丈夫、大丈夫~」


ヒロ君に話しかけられたことが嬉しくて、私は笑ってそう答える。


「水嶋の掃除場所ってどこ?」

「秘密~」


2組に来てれば、ヒロ君ともいっぱいしゃべれる。


でも、いつもこんないい感じのとこに梨花がやってきて、私は自分の掃除場所の体育館の横のトイレに連れて行かれる。


「桃子、ちゃんと掃除せんといかんよ」

「分かったよ~。でも、高橋さん一回も来んのやけど・・・」


梨花はこんなとこにはすごく真面目だった。


もう1人の女子の高橋さんなんて掃除しに来たことなんてなかった。


「梨花も手伝うから」


梨花はそう言っていつもトイレ掃除を手伝ってくれてた。


「ありがとう」


梨花には本当に感謝してるよ。