丸一日、仕事なんて手につかなかった。

私は上の空で、何もやる気が出なかった。


昨日のことが夢なんじゃないかって何度も
思ってしまう。


朝まで、ゆぅ君と一緒にいたはずなのに。

こうして、いつもと変わらず仕事を
していると、夢を見ていたんじゃないかと
思ってしまう。


仕事が終わると、すぐに家に帰った。

ゆぅ君に会いたい・・・。

そう思いながら、私はそのまま眠った。



「♪~♪~」

「・・・ん?」


携帯の音で目を覚ました。

寝てしまってたみたい・・・。

時計を見ると、夜の8時。

一時間近く寝てしまってた。


「・・・はい?」

私は電話に出た。


「桃子?元気かぁ~?」

タケルのいつもの明るい声。

「なんだ、タケルかぁ・・・」

私は、慌てて携帯を取ったから、誰からの
着信か確かめてなかった。

ゆぅ君かも知れないって思ってたから、
少しだけ落ち込んだ声を出してしまった。

「優士じゃなくて悪かったな!」

電話越しにタケルのすねた声が聞こえて
きた。

「何それ?ってタケル、久しぶりだね!」

私はご機嫌をとるかのように明るい声で
話す。


「健二から聞いたけど、優士とより
 戻ったんやって~?」

「うん、そうなの!」

「よかったな~」

私とゆぅ君のこと健ちゃんから
聞いたみたいだね・・・。