「水嶋が俺の顔、突いてる時から・・・」

寝たふりしてた、そう言ってゆぅ君が笑う。

「もう!!寝たふりしてたの?」

なんて言いながら、私も笑った。


私が音を立てないようにそぉ~っと帰ろうと
しているのをずっと見てたんだって。

そんな風に私を見ていたゆぅ君が、反対に
可笑しくて笑えた。


「もう、行くんやな・・・」

「うん・・・」


ゆぅ君の手が伸びてきた。

私をギュッと抱きしめる。

温かいな・・・。


大好きだよ。

ずっと、このまま離さないでほしい。



「水嶋、あと一ヶ月。待ってくれるか?」

ゆぅ君は私の耳元で心配そうな声で呟いた。

「当たり前じゃん!!」

私はそう言ってゆぅ君をギュッと抱きしめた。



玄関までゆぅ君が見送ってくれた。

「気を付けてな!」

「ゆぅ君こそ、気を付けてね!」


そう言って、私達はそれぞれの場所に
戻っていく。



一ヵ月後の再会まで、私達は別々・・・。


だけど、ずっと心で繋がってる。