ふと、前を見ると、小さな子どもを二人
連れた若い女の人がいた。


「あれっ?」

私は目を丸くした。

だって、その女の人は・・・
美鈴ちゃんだったから。

私は美鈴ちゃんに気付かれないように
横を向いてすれ違うことにした。


「・・・桃子??」

すぐに、気付かれてしまったみたい。

私は何食わぬ顔で話し始めた。


「あれっ、美鈴ちゃん?
 久しぶりだね!!」

出来るだけ、明るい声で話した。

「うん、久しぶり。
 もしかして、彼氏?」

横にいるタケルを指差してそう聞かれた。


「違うよ!友達のタケルだよ~!!」

私はそう言ってタケルを紹介した。


「ほんと、久しぶりだよね!」

私はそう言って、話を続ける。

「美鈴ちゃん、結婚してたんだね。
 噂で聞いてたけど・・・」

そうなんだぁ~って美鈴ちゃんは幸せそうに
笑った。

そんな私達を見ていたタケルは、

「俺、どっか適当に行くし、桃子、友達と
 話してろよ・・・」
 
そう言って、どこかへ行ってしまった。


「悪いことしたかなぁ?」

美鈴ちゃんは私を見てそう言った。

全然、大丈夫だよと私は笑った。