このヒカリの下を、もう一度君と

「涼太……!」

その姿を見た瞬間、足が勝手に動いた。
ずっとずっと会いたかった涼太が目の前にいる。

そのままの勢いで涼太に飛びつく。

「……陽奈?」

驚いたような声で涼太が小さく私の名前を呼ぶ。
それだけで嬉しい。

「涼太、涼太!
会いたかった……!」

我慢していた涙が次から次へと流れていく。

良かった、
涼太は、生きてる。

抱きしめた涼太は、
暖かくて、それだけで嬉しくてたまらない。



ひとしきり泣いて少し落ちついた私は、
涼太から身体を離し改めて涼太を見る。

当たり前だけど背が凄く伸びてる。
顔も幼さはもうない。

「……何で、陽奈がここに?
お婆さんに引き取られたんじゃ……」

声も低くなっている。

そんなひとつひとつの涼太の成長に、
6年という月日を感じる。

「……電車から、涼太が見えたから」

「そっか……」

何を話したらいいのか分からない。

だって、
涼太に会えて私は嬉しいけど、
涼太は驚きと、戸惑いと、

困ったような、苦しそうな顔をしているから。


「ずっと涼太に会いたかったの。
あのね、
あのね、涼太、
あの時私……」

「陽奈、もう帰れ」

「え……?」

私の言葉を遮り聞こえた涼太の声は、
私を拒絶するかのような言葉だった。