「ありがとう、陽奈」
そう言って涼太は私の手を離し、
屋上から飛び降りた。
「涼太!!」
必死に伸ばした手は、
涼太に届かなかった。
……ああ、まただ。
また、私は大切な人を失うのか。
アスファルトに広がる鮮血も、
響き渡る叫び声も、
鳴り響くサイレンの音も、
全てがふわふわと非現実的で。
だけど、
飛び降りる直前に涼太が見せた笑顔は、
嫌になる位に私を締め付けて離さなかった。
ねえ涼太。
私は、
やっぱりお姉ちゃんの代わりにはなれなかったの――?
そう言って涼太は私の手を離し、
屋上から飛び降りた。
「涼太!!」
必死に伸ばした手は、
涼太に届かなかった。
……ああ、まただ。
また、私は大切な人を失うのか。
アスファルトに広がる鮮血も、
響き渡る叫び声も、
鳴り響くサイレンの音も、
全てがふわふわと非現実的で。
だけど、
飛び降りる直前に涼太が見せた笑顔は、
嫌になる位に私を締め付けて離さなかった。
ねえ涼太。
私は、
やっぱりお姉ちゃんの代わりにはなれなかったの――?


