そんな周りとは反対に、私は静かだった。


受け入れられなかったのかもしれない。



彼と会えるのは、今日が最後。


そう思ったら、告白するのもいいかもしれない。


でも、私は告白したことがない。


いつも勇気が出なく、あと一歩のところでやめてしまう。





失恋も、思い返せば青春になる。


一回くらい、失恋をしよう。


今日こそは。










朝にそう決意してから五時間ほどが経った。


今日は午前だけ。


ということは……もう放課後になりそうな時間。



帰りのホームルーム中。



どう告白しようか、ずっと考えていた。



ずっと好きでした?


いや、一目惚れでした、かな。


そのまま付き合ってください、とか?



候補が浮いては消え浮いては消えを繰り返した。




さようならの挨拶が終わってすぐ、彼は通学カバンを置いて教室を出た。


トイレにでもいくんだろうか。