都合のいい妄想の延長線であることは、頭の何処かでは思っていたけど、そんなの、今考えていることの1%にも満たなかった。


「愛那さ、凛と仲いいやん」


凛?


急に凛の名前が出てきて戸惑った。


凛は私の親友だ。



今度は、心臓が嫌な音をたてていた。



「今日、部活終わりの凛に話しかけようと思ってるんだけど、好きな話題とかない?」




頭の中が、真っ白になった。


なんで凛。


なんで私じゃなくて。



凛は、たぶん彼にはそこまで興味を持っていない。


凛は二次元派なのだ。



だから凛を好きになっても意味ないよ。


「私にしてよ……」


「え?なんて?」


「ううん、なんも」


なにもなくなんてない。



気づいて。



「凛は……たぶんアニメの話とかしたらいいんじゃない?」


頑張って普通の声で言った。


もう本当は今にも泣き出したいし帰りたかった。