こんなこと思ったって、時間の無駄だし、ただ悲しくなるだけ。
わかってるのに考えるのをやめることができない。
✴✴✴✴✴✴✴
彼となにも進展せずに、三ヶ月ほど経った。
あと二日で夏休み。
彼に出会ってから、もう三ヶ月以上経ったのだ。
第一志望の高校が、私を落としてくれたことを今では感謝するほどになっていた。
夏休みになってほしくない。
彼と会えなくなるから――
「頑張って声かけろよ?」
暑い暑い放課後。
クラスの男子が、彼に向かって発した言葉。
私の中でなにかが引っかかった。
まるで、彼が誰かに片想いでもしているような。
そうは言ってないけど、私には“告白頑張れよ”と同意義の言葉に聞こえた。
そんなはずないのは知ってる。
知ってるけど、一瞬でも、私かな、なんて思ってしまった。
そんなわけないのは誰から見ても一目瞭然。
だけど片想いというのは、一人でなんでも妄想してしまうもの。
勝手に妄想の材料にして彼には申し訳ないと思うけど。
……もし、このあと、「愛那」と声をかけられて。
実は好きだったんだ、って。
言われたい。
たぶんこれは、全女子が思っていることだと思う。
わかってるのに考えるのをやめることができない。
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彼となにも進展せずに、三ヶ月ほど経った。
あと二日で夏休み。
彼に出会ってから、もう三ヶ月以上経ったのだ。
第一志望の高校が、私を落としてくれたことを今では感謝するほどになっていた。
夏休みになってほしくない。
彼と会えなくなるから――
「頑張って声かけろよ?」
暑い暑い放課後。
クラスの男子が、彼に向かって発した言葉。
私の中でなにかが引っかかった。
まるで、彼が誰かに片想いでもしているような。
そうは言ってないけど、私には“告白頑張れよ”と同意義の言葉に聞こえた。
そんなはずないのは知ってる。
知ってるけど、一瞬でも、私かな、なんて思ってしまった。
そんなわけないのは誰から見ても一目瞭然。
だけど片想いというのは、一人でなんでも妄想してしまうもの。
勝手に妄想の材料にして彼には申し訳ないと思うけど。
……もし、このあと、「愛那」と声をかけられて。
実は好きだったんだ、って。
言われたい。
たぶんこれは、全女子が思っていることだと思う。



