「やった!凪海(なぎ)君と同じクラスだ!」

そんな声が廊下に響く中、一人の男は静かにA組へと向かった。

「おー凪海学校来れた?」

軽く手を挙げたのは、如月 遥陽(きさらぎ はるひ)だった

「流石に始業式はスケジュール空けてもらった」

凪海と呼ばれる男は隣の席に腰を下ろす

「今年も同クラだな」

如月は軽く笑う

「なんか悪いな」

今年“も”そういった如月は嬉しそうだったが、凪海にはその言葉の意味がわかっていた

「なんでだよ、俺は嬉しいよ?」

暖かく、太陽のように包み込んでくれるその声は凪海の精神的な支えになっていた

「お前のセコム喜んで引き受ける」

意地悪い笑みを浮かべた如月を、凪海は小突いた

「セコムは辞めろ」