「青羽くんはきっと守ってくれる。私も、万が一香瑚に悪さをしてくる人がいたら、あぶり出してとっちめてやる──」
「やめて」
冷たい声が出ると同時に、思わず手を振り払ってしまった。押し黙って見開かれる彼女の瞳から、顔を背けて本音を吐露する。
「私は守ってもらいたいわけじゃない。そうじゃなくて……お姉ちゃんといると、自分に自信が持てなくなるの。いてもいなくてもいい存在なんだって思わされる。『亜瑚に比べて、香瑚は』っていう言葉を、どれだけ聞いたか」
陰口を叩いていた同級生たちもそうだけれど、私がここまで気にするようになったのはやはり親の影響が大きい。
「昔から、評価されるのはいつもお姉ちゃんだった。私が今の会社を選んだ時は、お父さんに『亜瑚は自分の能力を活かしてるのに、もったいない』って言われたんだよ。自分のやりたいこと見つけて、それに向かって頑張ったのは私も同じなのに」
ずっと親の期待に応えようとしていて、大学もそれなりにレベルの高いところに入った。そうすれば、姉のように褒めてもらえると思っていたから。
しかし、友達に連れられてアニメのコラボカフェに行った時、自分の好きなゲームのこういう場を企画できたらいいなと興味を持った。イベント会社に入れば可能だとわかってからは、自分が望む道を歩もうと決めた。
「やめて」
冷たい声が出ると同時に、思わず手を振り払ってしまった。押し黙って見開かれる彼女の瞳から、顔を背けて本音を吐露する。
「私は守ってもらいたいわけじゃない。そうじゃなくて……お姉ちゃんといると、自分に自信が持てなくなるの。いてもいなくてもいい存在なんだって思わされる。『亜瑚に比べて、香瑚は』っていう言葉を、どれだけ聞いたか」
陰口を叩いていた同級生たちもそうだけれど、私がここまで気にするようになったのはやはり親の影響が大きい。
「昔から、評価されるのはいつもお姉ちゃんだった。私が今の会社を選んだ時は、お父さんに『亜瑚は自分の能力を活かしてるのに、もったいない』って言われたんだよ。自分のやりたいこと見つけて、それに向かって頑張ったのは私も同じなのに」
ずっと親の期待に応えようとしていて、大学もそれなりにレベルの高いところに入った。そうすれば、姉のように褒めてもらえると思っていたから。
しかし、友達に連れられてアニメのコラボカフェに行った時、自分の好きなゲームのこういう場を企画できたらいいなと興味を持った。イベント会社に入れば可能だとわかってからは、自分が望む道を歩もうと決めた。



