脇役だって、恋すれば

 彼女がここへ来るのは二カ月に一度くらいなのだが、なぜこのタイミングで……!

 私が正直ガッカリしていることもつゆ知らず、隣にいる青羽にも構わずに話しかけてくる。

「ごめんねぇ、こんな時間に。土曜だから許してもらえるかなー?って甘い考えで来ちゃった。明日から撮影で四国の廃墟に軟禁状態になるから、その前にどうしても会いたかったの。あっ、これこの間行ったタイのお土産! ピンクガネーシャよ」

「あ、ありがとう。えっと、どこからツッコもうか……」

 姉はこの通り、ちょっと空気の読めない天然だ。本人に悪気がないのがわかるので憎めないし、テレビでもこのままなので愛されキャラとなっている。しゃべらなければカッコいい美人さんなのに。

 マネージャーさんがついている時は滅多になく、だいたい今日のようにひとりで突然やってくる。

 ファンやマスコミにバレないのか?とこちらのほうが心配になるけれど、姉いわく『うまくやってるから大丈夫』らしい。

 願いが叶うというピンクの象頭の神様が描かれた、個性強めなバッグを持たされ呆気に取られていると、姉はようやく青羽の存在に気づいてはっと目を丸くする。

「あれっ、青羽くん!?」

 ……は? 〝青羽くん〟?