脇役だって、恋すれば

 小さな公園の前を通りかかった時、高校時代のあるひとコマを思い出す。

「そういえば高校の文化祭の後、クラスの皆と夜の公園でジュースで打ち上げしたよね」
「あー、懐かしい。あの頃はジンジャーエールで酔えた」
「わかる!」

 彼の発言にさっきから共感しまくりで、声を出して笑った。学生の頃は、ノンアルでも酔っ払ったみたいにテンションを上げられたのよね。

 それでも、青羽と私はバカ騒ぎすることはなくて、ただただ笑っていた。私は彼と夜も一緒にいるというだけで、その雰囲気に酔っていただけのような気がするけれど。

「嫌なこともいろいろあったけど、こうやって青羽と話してると、楽しかったことをたくさん思い出せるよ」

 なにげなくそう口にした私に、青羽が優しい視線を向ける。〝嫌なこと〟と聞いて、すぐに姉関係の話だと察しただろう。

「だいぶ明るくなったよな、香瑚。あの頃は、仲のいい人以外とは〝関わりたくないオーラ〟が出てたのに」
「わかった? やっぱり嘘つけないのか、私」

 当時、あれこれ聞いたり頼んだりしてくる人たちには、露骨に素っ気ない態度をとっていた。だから可愛げがないとか、ネクラだとか言われていたのだ。