「クルーザーを所有している方には初めてお会いしました……。普段から乗られているんですか?」
ずっと圧倒されたまま向かいの社長様に問いかけると、こんなシーンにも馴染んでいる彼はワイングラスを片手に微笑む。
「ああ、時々気心知れた仲間や社員を呼んでパーティーをしてる。クルーザーを持っている経営者はわりと多いと思うよ。節税対策にもなるしね」
「そんなメリットが……!」
エグゼクティブ層の方々って、庶民とは次元が違うことを考えているんだろうな。改めて格差を実感する。
とにもかくにも、こんなにラグジュアリーなディナーは非現実的で、本当にお姫様にでもなった気分。もちろんプラネタリウムもよかったけれど、本物の夜空の下で食事するのはまた格別だ。
「開放的ですごく気持ちいいですね。美味しい料理をいただきながら、海からの夜景を眺められるなんて夢みたいです。まさに極上の体験をさせてくださってありがとうございます」
「満足してもらえたならよかった。僕も楽しかったのは間違いないんだが……少し物足りないかな。君はまだ素を見せてくれていない感じがするから」
じっとこちらを見つめてずばり図星を指され、私は少々ぎくりとした。彼の言う通り、素を出せるほどリラックスはできなかったから。
ずっと圧倒されたまま向かいの社長様に問いかけると、こんなシーンにも馴染んでいる彼はワイングラスを片手に微笑む。
「ああ、時々気心知れた仲間や社員を呼んでパーティーをしてる。クルーザーを持っている経営者はわりと多いと思うよ。節税対策にもなるしね」
「そんなメリットが……!」
エグゼクティブ層の方々って、庶民とは次元が違うことを考えているんだろうな。改めて格差を実感する。
とにもかくにも、こんなにラグジュアリーなディナーは非現実的で、本当にお姫様にでもなった気分。もちろんプラネタリウムもよかったけれど、本物の夜空の下で食事するのはまた格別だ。
「開放的ですごく気持ちいいですね。美味しい料理をいただきながら、海からの夜景を眺められるなんて夢みたいです。まさに極上の体験をさせてくださってありがとうございます」
「満足してもらえたならよかった。僕も楽しかったのは間違いないんだが……少し物足りないかな。君はまだ素を見せてくれていない感じがするから」
じっとこちらを見つめてずばり図星を指され、私は少々ぎくりとした。彼の言う通り、素を出せるほどリラックスはできなかったから。



