「新涼くんでもそんなに苦戦することがあるんだ」
「……スランプは初めてだよ。これまでも恋愛が絡んできたものはあったけど、ほんの少しだったし全部男目線だったから。今回は貧しい村娘が王子に恋をするルートを作らなきゃいけなくて」
メイン料理を食べ終えて淡々と語る彼によると、今取りかかっている新作は主人公を自分で選べる仕様にして、それぞれ別のルートを作るのだそう。
すべての主人公をプレイすると隠しエンディングが見られるようにしたいらしく、これも絶対面白い作品になるなと聞いているだけでわくわくする。
今悩んでいる村娘ルートを始め、選ぶ主人公の中には平凡なモブキャラも何人かいるというのが、新涼くんらしさを感じる。
気遣いのできる彼なら女心もすごくわかっていそうだけれど、それとはまた別の問題なのだろうか。
考えを巡らせていると、須栗社長が軽い調子で言う。
「女心がわからないなら社内の女性陣に聞いてみればいいのに、青羽は必要以上に女の子と関わろうとしないからな。向こうからはしょっちゅう話しかけられて、モテるくせに彼女も作らないしもったいない」
「女心っていうより、格差を気にしつつ王子と近づいていく様子を考えるのが難しいんです。ていうか、モテるとか関係ないでしょ」
図らずも職場での新涼くんの女性関係について知ることができ、私はふむふむと頷いた。
「……スランプは初めてだよ。これまでも恋愛が絡んできたものはあったけど、ほんの少しだったし全部男目線だったから。今回は貧しい村娘が王子に恋をするルートを作らなきゃいけなくて」
メイン料理を食べ終えて淡々と語る彼によると、今取りかかっている新作は主人公を自分で選べる仕様にして、それぞれ別のルートを作るのだそう。
すべての主人公をプレイすると隠しエンディングが見られるようにしたいらしく、これも絶対面白い作品になるなと聞いているだけでわくわくする。
今悩んでいる村娘ルートを始め、選ぶ主人公の中には平凡なモブキャラも何人かいるというのが、新涼くんらしさを感じる。
気遣いのできる彼なら女心もすごくわかっていそうだけれど、それとはまた別の問題なのだろうか。
考えを巡らせていると、須栗社長が軽い調子で言う。
「女心がわからないなら社内の女性陣に聞いてみればいいのに、青羽は必要以上に女の子と関わろうとしないからな。向こうからはしょっちゅう話しかけられて、モテるくせに彼女も作らないしもったいない」
「女心っていうより、格差を気にしつつ王子と近づいていく様子を考えるのが難しいんです。ていうか、モテるとか関係ないでしょ」
図らずも職場での新涼くんの女性関係について知ることができ、私はふむふむと頷いた。



