ほろ酔いのせいもあり気分よく話していると、私たちを観察するように眺めていた社長が、なにかを思いついたように「そうだ」と口を開いた。
「いいこと思いついた。素直にリアクションしてくれる芦ヶ谷さんなら、僕たちの力になってくれるかもしれない」
「力?」
仕事以外になにか役立てることがあるのだろうか。キョトンとする私に、社長は意味深に口角を上げてみせる。
「実は今、青羽が慣れないシナリオに苦戦してるんだ。それが恋愛モノでね、どうも女性の心の変化を考えて書くってなるとうまくいかないらしい」
明かされたのは意外な問題。新涼くんは若干迷惑そうに眉根を寄せ、ため息を漏らす。
「また勝手に人の事情を……」
「あれ、なにか間違ってるか? 参考にしようと恋愛映画見まくってるくせにまったく効果なくて、納期半月も延ばしてるのは誰だったかなー」
「間違ってないです」
にこにこしながらわざとらしく言う社長に、新涼くんはむすっとしつつも即座に肯定した。どうやら本当に悩んでいるようなので、私は苦笑して隣の彼に目線を向ける。
「いいこと思いついた。素直にリアクションしてくれる芦ヶ谷さんなら、僕たちの力になってくれるかもしれない」
「力?」
仕事以外になにか役立てることがあるのだろうか。キョトンとする私に、社長は意味深に口角を上げてみせる。
「実は今、青羽が慣れないシナリオに苦戦してるんだ。それが恋愛モノでね、どうも女性の心の変化を考えて書くってなるとうまくいかないらしい」
明かされたのは意外な問題。新涼くんは若干迷惑そうに眉根を寄せ、ため息を漏らす。
「また勝手に人の事情を……」
「あれ、なにか間違ってるか? 参考にしようと恋愛映画見まくってるくせにまったく効果なくて、納期半月も延ばしてるのは誰だったかなー」
「間違ってないです」
にこにこしながらわざとらしく言う社長に、新涼くんはむすっとしつつも即座に肯定した。どうやら本当に悩んでいるようなので、私は苦笑して隣の彼に目線を向ける。



