脇役だって、恋すれば

 ああ、やっぱり仕事の一環だったのね。びっくりした。思わせぶりなことを言わないでください……。

「心配なら、青羽も一緒に来る?」

 内心ほっとしていたのもつかの間、社長がそんな提案をするので再びどきりとする。

 新涼くんがなにを心配するというのか。まさか社長が私に手を出そうとしているだなんてことはないだろうし、そもそも彼が私を気にかける理由はないだろうし……。

「そうですね。行きます」
「えぇっ」

 あれこれ考えていたら予想外に承諾したので、思わず声を上げてしまった。新涼くんは平然としていて、社長はなんとなく楽しげな笑みを浮かべている。

「芦ヶ谷さん、どう? 青羽も来るならそんなに緊張しないだろう」
「あ、ええ、まあ……」

 いや、そんなことはない!とすぐに心の中で否定してしまった。須栗社長とふたりきりなのはもちろん緊張するけれど、そこに新涼くんが加わっても決して息が抜けるわけではないから。

 とはいえ、この状況ではもう断れそうもなく、覚悟を決めて頭を下げる。

「では、お言葉に甘えさせていただきます」
「よかった。じゃあ、場所と時間は青羽から連絡させるね」