私が社長と、ふたりで食事に!? これは冗談なのか、ただの社交辞令なのか。
どっちにしろ答えに困ってしまい言葉を喉に詰まらせていると、彼は少し眉尻を下げて微笑む。
「個人的にゆっくり話したいと思っていたんだ。けど、急に誘われてもやっぱり嫌かな」
「いえっ! その、嫌とかではなく、私なんかが恐れ多くて……」
社長が寂しそうな子犬みたいにシュンとするので、ますますどうしたらいいかわからなくなる。ハードルが高すぎて頷けないけれど、断るのも失礼な気がするし……!
しどろもどろになっていた時、すぐ後ろに誰かが近づいてきた気配がした。
「社内で堂々と口説いてるんですか、社長」
どことなく棘のある声が降ってきて、振り仰いだ私は目を見開いた。今日はもう会えないと思っていた彼がそこにいる。
「新涼くん……!」
驚く私をよそに、新涼くんはじっと社長に視線を向けている。見つめ返す社長の瞳もどこか挑発的に見えるし、なんだかやや不穏な空気を感じるのは気のせいだろうか。
社員さんたちも不思議そうにこちらを一瞥して通り過ぎていく中、社長がふっと表情を緩めた。
「親睦を深めたいだけだよ。これから一緒に仕事していく仲だし、芦ヶ谷さんとは特に気が合いそうだから楽しい時間を過ごせそうだしね」
どっちにしろ答えに困ってしまい言葉を喉に詰まらせていると、彼は少し眉尻を下げて微笑む。
「個人的にゆっくり話したいと思っていたんだ。けど、急に誘われてもやっぱり嫌かな」
「いえっ! その、嫌とかではなく、私なんかが恐れ多くて……」
社長が寂しそうな子犬みたいにシュンとするので、ますますどうしたらいいかわからなくなる。ハードルが高すぎて頷けないけれど、断るのも失礼な気がするし……!
しどろもどろになっていた時、すぐ後ろに誰かが近づいてきた気配がした。
「社内で堂々と口説いてるんですか、社長」
どことなく棘のある声が降ってきて、振り仰いだ私は目を見開いた。今日はもう会えないと思っていた彼がそこにいる。
「新涼くん……!」
驚く私をよそに、新涼くんはじっと社長に視線を向けている。見つめ返す社長の瞳もどこか挑発的に見えるし、なんだかやや不穏な空気を感じるのは気のせいだろうか。
社員さんたちも不思議そうにこちらを一瞥して通り過ぎていく中、社長がふっと表情を緩めた。
「親睦を深めたいだけだよ。これから一緒に仕事していく仲だし、芦ヶ谷さんとは特に気が合いそうだから楽しい時間を過ごせそうだしね」



