脇役だって、恋すれば

 びっくりさせるような話ってなんだろう。旦那様とのことかな。特に悩んでいる様子もなかったから、きっと悪い話ではないのだろうけれど。

 考えながら席に戻ると、現在フリーの友人が「新郎側のイケメンチェック」と言いながらゲストを品定めしている。貪欲さを隠さない彼女に笑っているうちに、例の話については頭から抜けていった。


 とても美味しいコース料理と、ラグジュアリーなホテルの雰囲気を堪能し、午後六時頃に披露宴はお開きとなった。

 友人のひとりは最近できたという彼氏が迎えに来て、もうひとりの彼女はなんと新郎の会社関係の男性と意気投合し、ふたりきりの二次会へと繰り出していった。彼女たちの結婚式に呼ばれるのも、そう遠くはないかもしれない。

 ちょっぴり羨ましい気持ちはあるけれど、ひとりの気楽さを覚えてしまった今、恋愛するのは億劫になっている。周りが幸せならそれでいいかなと思う。

 皆で会うのは久々だったから楽しかったなと、余韻に浸りながらひとりホテルのエレベーターに乗って一階に下りる。秋華の綺麗な姿を思い返していると、ふと気がついた。