脇役だって、恋すれば

「青羽ぁ……! 私も大好き~会いたかった~」
「お前、どんどん可愛くなるな」

 泣きながら心の声がダダ漏れになる私を、青羽は嬉しそうにしっかりと抱き留めた。

 リビングに上がり、夕飯を作るのは後回しにしてプレゼントを受け取る。文庫本サイズのそれは表紙にゲームのキャラクターが新たに描かれ、表紙の裏にはちゃんと青羽のサインが入っていた。

 ふたりがけのソファに並んで座り、ぱらぱらと捲ってみて感嘆の声をあげる。

「すごい……! 本当に本になってる」
「俺もまさか小説を書くハメになるとは。新鮮で楽しかったけど」
「青羽って文才もあるんだねぇ」

 シナリオを書くには文章力も必要だと思うけれど、書籍として見るとまたその才能に感服する。

 改めて尊敬しまくっていると、青羽が「プレゼントはこれだけじゃない」と言うので、本を閉じて顔を上げた。彼はどことなく改まった様子で私を見つめている。

「『香瑚がこの仕事を終えたら、真っ先にやりたいことがある』って、俺が空港で言ったの覚えてる?」
「もちろん。しばらく気になってたよ」
「それが狙いだったからね。俺のこと忘れないように」

 したり顔をする彼に、私は「そんなふうにしなくても忘れないから!」と口を尖らせた。呑気に笑った彼は、コートのポケットに手を入れてなにかを取り出そうとする。