私も軽くハグをして、お互いに満面の笑顔で向き合う。普段から可愛い彼女が、今日は一段と美しく輝いている。
「おめでとう、秋華。病気が再燃したって聞いた時は心配だったけど、こんなに幸せそうな顔が見られてほんとよかった」
「私もほっとしてるよ。香瑚が電話してくれたの嬉しかった。ありがとね」
そう、明るくて元気な彼女だが、実は難病を患っているのだ。二十歳の頃に血管の病気を発症し、心身ともに苦しんでいた時期も知っているので、今日の晴れの日はなおさら感慨深い。
三カ月ほど前に再び症状が出てしまったのだが、新薬を作っている旦那様の支えもあって今は治まっているらしい。一生に一度の結婚式を無事迎えられて、本当によかった。
もっと喜びをわかち合いたいけれど、披露宴では時間が限られている。それぞれの近況を少しだけ話して席に戻ろうとした時、「香瑚」と私だけ呼び止められた。
「今度ウチに遊びに来て。香瑚に話したいこといっぱいあるんだ。……ちょっとびっくりさせるかもだけど」
「え、なに、気になりすぎる」
意味深な発言をした秋華は、真顔になる私に含みのある笑みを浮かべるだけ。「またゆっくりね」と軽く手を振られ、詳しいことはなにもわからなかった。
「おめでとう、秋華。病気が再燃したって聞いた時は心配だったけど、こんなに幸せそうな顔が見られてほんとよかった」
「私もほっとしてるよ。香瑚が電話してくれたの嬉しかった。ありがとね」
そう、明るくて元気な彼女だが、実は難病を患っているのだ。二十歳の頃に血管の病気を発症し、心身ともに苦しんでいた時期も知っているので、今日の晴れの日はなおさら感慨深い。
三カ月ほど前に再び症状が出てしまったのだが、新薬を作っている旦那様の支えもあって今は治まっているらしい。一生に一度の結婚式を無事迎えられて、本当によかった。
もっと喜びをわかち合いたいけれど、披露宴では時間が限られている。それぞれの近況を少しだけ話して席に戻ろうとした時、「香瑚」と私だけ呼び止められた。
「今度ウチに遊びに来て。香瑚に話したいこといっぱいあるんだ。……ちょっとびっくりさせるかもだけど」
「え、なに、気になりすぎる」
意味深な発言をした秋華は、真顔になる私に含みのある笑みを浮かべるだけ。「またゆっくりね」と軽く手を振られ、詳しいことはなにもわからなかった。



