脇役だって、恋すれば


 ──南半球に位置するシドニーの七月は、日本とは真逆で真冬だ。

 一年のほとんどが晴天で、氷点下まで冷え込むこともないので雪は降らない。

 しかしウィンターフェスティバルが開催されている今、海のそばにスケートリンクができたり、ホテルの中庭に本物の雪が敷き詰められたりと、至るところで冬を感じられる。

 ここへやってきて、あと三カ月で二年が経とうとしている。こちらでの私の仕事は、企画というより事務作業やいろいろなサポートのほうがメイン。

 海外進出を目指す日系企業が現地で行うイベントや、日本との会議のセッティングなどもする。着実に自分のキャリアが積まれているなと感じつつ、いまだに勉強することも多い。

 職場は日本人ばかりで、しかも英語が堪能な人が何人かいるので困らないけれど、日常会話程度ならこなせるようになった。仲のいい同僚もできて、休日は観光したり街を散策したりと、充実した日々を過ごしている。

 誰の目も気にせず自由に生きられる別世界。ここへ来て視界が開けたように感じるし、心に大きなゆとりができた気がする。思いきって来て本当によかった。

 とはいえ、やっぱり元々の趣味はこちらに来ても変わることはなく……。