私たちのやり取りを微笑ましげに見ていた姉が、いつもと同じ明るい声を投げかける。
「シドニーはいいところよ。私も行けたら行くからね!」
「行かないやつじゃん」
しっとりした空気が一変する彼女の呑気さに、秒速でツッコんだ。「私の場合は本当なの!」と言い張る彼女に笑いつつ、これまでほとんどしなかった約束を取りつける。
「じゃあ、その時はご飯食べに行こう。美味しいお店探しておく。あと、また一緒に鬼畜カーレースもやろうね」
一瞬ぽかんとした姉は、すぐに新作発表会でのトークを思い出したらしく、嬉しそうに口角を上げる。
「十数年ぶりに練習しておかなきゃ。楽しみにしてるわ」
一点の曇りもない笑顔でそう言う彼女に、私も心からの笑顔を返した。
そして、芦ヶ谷家の横で遠慮がちにこちらを見ていためぐちゃんに視線を移す。
「めぐちゃんまで来てくれてありがとね」
「先輩、今ならまだ引き返せますよ」
「この期に及んで止めようとしない」
真面目な顔で言う彼女に、私は笑ってツッコんだ。
海外赴任が決まった時から、めぐちゃんはすごく寂しがって時々同じセリフを口にしていた。こんなに別れを惜しんでくれる、素敵な仲間に恵まれて幸せだ。
「シドニーはいいところよ。私も行けたら行くからね!」
「行かないやつじゃん」
しっとりした空気が一変する彼女の呑気さに、秒速でツッコんだ。「私の場合は本当なの!」と言い張る彼女に笑いつつ、これまでほとんどしなかった約束を取りつける。
「じゃあ、その時はご飯食べに行こう。美味しいお店探しておく。あと、また一緒に鬼畜カーレースもやろうね」
一瞬ぽかんとした姉は、すぐに新作発表会でのトークを思い出したらしく、嬉しそうに口角を上げる。
「十数年ぶりに練習しておかなきゃ。楽しみにしてるわ」
一点の曇りもない笑顔でそう言う彼女に、私も心からの笑顔を返した。
そして、芦ヶ谷家の横で遠慮がちにこちらを見ていためぐちゃんに視線を移す。
「めぐちゃんまで来てくれてありがとね」
「先輩、今ならまだ引き返せますよ」
「この期に及んで止めようとしない」
真面目な顔で言う彼女に、私は笑ってツッコんだ。
海外赴任が決まった時から、めぐちゃんはすごく寂しがって時々同じセリフを口にしていた。こんなに別れを惜しんでくれる、素敵な仲間に恵まれて幸せだ。



