脇役だって、恋すれば

 しっかり向き直って、お互いに頭を下げた。成功に終わりそうでよかったと胸を撫で下ろすと、藤井さんがちょっぴりもじもじしながらためらいがちに口を開く。

「芦ヶ谷さんのことは決して好きになれませんが……この間は酷いことを言って、すみませんでした」

 まさか謝られるとは思わず、再び頭を下げる彼女をぽかんとして見つめる。じわじわと心が温かくなって、口元が緩んだ。

「藤井さん……」
「もう二度と一緒にはやりたくないですけどね!」

 顔を上げた彼女はすでに仏頂面になっていて、ぷいっとそっぽを向いて歩き出した。ツンデレか。

 でも、お互いに嫌なしこりはなくなったはず。あとで青羽に話して、これまで頑張った分たくさん甘やかしてもらっちゃおう。

 いろいろな意味で肩の力が抜けて、晴れやかな気分で終わり間近のステージへと視線を戻した。