脇役だって、恋すれば

 今いるステージ袖に光は当たらないけれど、ここに誰もいなかったら今日の発表会は成り立たない。私にしかできないことがあるし、なくてはならない存在だと、姉や青羽が気づかせてくれた。

「あ、負け惜しみじゃないですよ」
「それ言おうと思ったのに」

 相変わらず意地悪な言葉が返ってくるも、嫌な気分にはならなくて軽く笑い飛ばした。藤井さんも少しだけ表情を緩め、おもむろにスマホの画面を見せてくる。

「亜瑚さんの綺麗さだけじゃなくて、ゲームのよさもちゃんと伝わっているみたいですよ。ほら、配信のコメント見てください」

 今まさに視聴者が投稿しているコメントが、次から次へと流れていく。

 そこには【グラフィック最高】、【絶対やります!】というゲームに期待する声の中に、【演出気合い入ってるなー】、【トレーラーにマッチしてた】などと、発表会自体を評価してくれるコメントもちらほら混ざっていた。

 努力が報われたようで、飛び跳ねたいくらい嬉しくなる。これ、部長たちにも見せてあげたい!

「皆、神様ですか……!? ああ、ほっとした。ファンの方々の期待を裏切らなくて、本当によかったです」
「素敵な発表会にしていただいて、ありがとうございました」
「藤井さんたちが協力してくださったおかげですから。こちらこそ、ありがとうございます」