脇役だって、恋すれば

「聖地巡礼? 葉山ってなにかの舞台なの?」
「ぼくマーのモデル。俺が勝手にここをイメージして作ったってだけだけど」
「そうだったんだ!?」

 驚くと同時に、青羽イチオシの絶景ポイントに着いたらしい。木の陰から見える、輝く海と富士山のシルエット、そしてとろけそうな夕日がとんでもなく美しい。

 その絶景に一瞬言葉を失ったものの、沖合の無人島に立つ神秘的な鳥居と灯台を見て、ピンときて指差す。

「あっ、海に浮かぶ鳥居と灯台! ゲームにも出てきたよね。そういえばさっき見た美術館も、ゲーム内の建物と雰囲気が似てる」
「正解。俺が葉山のイメージって言ったから、デザインチームが参考にしてたんだよ」
「すごい、本当に聖地だ」

 ファンにとってはたまらない……!と、オタク心全開で興奮してしまう。けれどなにより、青羽が幼少期を過ごした大事な場所に来られたことがとても嬉しい。

「青羽の思い出の場所に連れてきてくれてありがとう。私も共有できたみたいで嬉しい」

 満面の笑みを向けると、彼の唇も嬉しそうに弧を描いた。そして沈んでいく夕日に目線を戻し、懐かしい話を始める。