脇役だって、恋すれば

 残さず食べ終え、そのままでいいと言われたものの、もちろん片づけもすべてやっておく。青羽もきちんと薬を飲んでとりあえず人心地ついた時、フィギュアが並ぶ棚の奥に、額に入れて立てかけられた賞状がふと目に入った。

 さりげなく近づいて見てみると、ゲームシナリオのコンクールで最優秀賞を取っていたようだ。さすがすぎる、と舌を巻いていた私は、昼間に田端さんがしていた噂話について思い出した。

 藤井さんが強烈で頭の隅に追いやられていたけれど、真相はかなり気になる。もう少しだけ話をしてもいいかな。

「ねえ……前、ヘッドハンティングされてるって言ってたでしょ。他の会社に行きたいって気持ちはないの?」

 ちょっぴり眠そうな青羽をベッドに寝かせながら問いかけてみた。キョトンとした彼は、なにかに気づいたのか真面目な表情に変わっていく。

「もしかして聞いた? 俺が社長の犬だって噂。藤井さんがそれっぽいこと言ってたよな」

 あの時彼女が言っていたのは、正確には私のことだったけれど、噂を聞いたのは確かなのでこくりと頷いた。青羽自身も知っていたらしい。

 苦笑を漏らした彼が、「来て」と言ってベッドをぽんぽんと軽く叩くので、私は従順にベッドの端に腰を下ろした。