脇役だって、恋すれば

 調味料は定番のものはそろっているし、手早くできるそうめんにしようと決め、キッチンをお借りすることにした。その間に、汗でべたついて寝られないというのでシャワーを浴びてもらう。

 夏だけれど温かいほうが消化にいいだろう。茹でたそうめんを卵と一緒に軽く煮て、にゅうめんにしてみる。

 彼氏の家で料理するなんて何年ぶりだろうか。……〝彼氏〟ってなんか恥ずかしいな。青羽とずっと望んでいた関係になれたなんて、まだ現実味がないや。

 ぼんやり考えながら料理をしていると、あっという間にシャワーを終えた彼がこちらにやってくる。
「いい匂い。ありがとな」
「これくらい全然……って、こら! 服着て、服!」

 振り向いた途端、引き締まった上半身が露わになっていて、ドキッとしながら慌てて前を向いた。あたふたする私に、彼はタオルで髪を拭きながらおかしそうに笑う。

 ほどよく筋肉がついていて腰は細く、すごくいい身体つきだったな。髪も濡れてセクシーだし、さっきの妄想に拍車がかかってしまう……。

 ほんの数秒の間にそんなことを考えていると、背後から腰にするりと手を回され、びくっと肩が跳ねた。

「汗流したらよくなってきた気がする。……食べられそう」