脇役だって、恋すれば

 しかし、看病するという本来の目的を忘れてはいけない。体温を測ってもらうと三十八度あり、彼の顔を覗き込んで問いかける。

「解熱剤はあるって言ってたよね。それ飲む前にちょっとだけでも食べられそう? 材料あれば作るし、なければコンビニで買ってくるよ。私も夕飯食べるから」
「ああ……そうだよな。ごめん、気が利かなくて」

 具合が悪い時にまで気にしなくていいんだよと首を横に振ると、彼は「香瑚のお泊まりセットもない……」とぽつりと呟いた。

 一瞬ぽかんとした私は、意味を理解してまた顔を熱くする。

「いや、薬飲むとこまで見届けたら帰るよ!」
「夜にひとりで帰らせたくないんだけど」
「遅くならないうちにお暇するから大丈夫!」

 さっき『もっとすごいことしたくなる』とか言っていたのに、泊まるのはいいのかいとツッコみたい。私も本音はずっと一緒にいたいけれど、ひとりでしっかり身体を休めてほしいのだ。

 不安そう、というより不満そうにする青羽になんとか納得してもらい、ひとまずここにどんな食材があるか見せてもらう。

 冷蔵庫の中はたくさんのエナジードリンクと、納豆や卵などご飯のお供になるものが少し入っていた。麺類も好きらしく、パスタやそうめんもある。