脇役だって、恋すれば

「ずっと私を守ってくれてたんだね……ありがとう。なのに疑って、拒絶して、私こそ本当にごめん」

 また鼻の奥がツンとして、瞳を潤ませつつ私も心から謝った。青羽は首を横に振って切なげに微笑み、俯く私の頬にそっと手を当てて上を向かせる。

「こうやって話したかっただけなのに、いろいろ考えてたらずいぶん長くかかっちまった。ことごとくタイミングも悪かったし」
「ほんとにね」

 再会した日は慶吾さんが、夜の散歩をした日は姉がやってきて話ができなかったのを思い出し、お互いにくすっと笑い合った。次いで青羽の手が私の顎に移動し、親指でふにっと唇をなぞる。

「今だってそうだ。滅茶苦茶にキスしてやりたいのに」

 あられもないひと言に、ドキンと心臓が飛び跳ねた。熱のせいもあってか、とろんとした瞳とわずかに紅潮した頬が、妙に色っぽくてドキドキする。

 やばい、大好きな人からこんなセリフを言われたらその気になってしまう。もし風邪だったらうつしてしまいかねないから自重しているのだろうけど……どうしよう、私もしたい。

 赤裸々な欲求に抗えず、恥ずかしさを堪えて呟く。

「……していいんだよ? 風邪のリスクは、一緒にいれば同じなんだし」

 ぴくりと反応した青羽は、一瞬オスの目になって私を見つめた。