「……教室で、最後に話したあの日、絶対に幻滅されたと思った。泣くほど嫌だったんだなって」
ぽつりぽつりと話し出したのは、苦い思い出になってしまった放課後のこと。やっぱり青羽はショックを受けていたのだとわかり、私は慌てて弁明する。
「違うの。青羽が嫌だったんじゃなくて、あれは──」
「俺が『もう少し芦ヶ谷と仲よくなったら亜瑚さんに会えるかもしれない』って友達に言ってたから?」
それは今まさに私が言おうとしたことだったので、口をつぐんだ。胸の痛みを思い出しつつ、こくりと頷く。
「私と仲よくしてたのは、青羽もお姉ちゃんに近づくためだったんだって思って、ショックで」
「やっぱりそうだったのか。誤解させるようなこと言って、本当に悪かった」
姿勢をもとに戻して頭を垂れる彼は、申し訳なさそうな表情で説明する。
「俺がそう言っておけば、直接香瑚のところに行かなくなるだろ。あいつらをお前に近づけたくなかっただけなんだ。そんなやり方しかできなくて、今はすごく後悔してる」
真実を知り、心のもやがすっきり晴れていくと同時に、こちらのほうが申し訳なくなった。
まさか、あの発言の裏にそんな狙いがあったなんて。全部私のためだったのに、勝手に勘違いして避けてしまった自分を心底恨む。
ぽつりぽつりと話し出したのは、苦い思い出になってしまった放課後のこと。やっぱり青羽はショックを受けていたのだとわかり、私は慌てて弁明する。
「違うの。青羽が嫌だったんじゃなくて、あれは──」
「俺が『もう少し芦ヶ谷と仲よくなったら亜瑚さんに会えるかもしれない』って友達に言ってたから?」
それは今まさに私が言おうとしたことだったので、口をつぐんだ。胸の痛みを思い出しつつ、こくりと頷く。
「私と仲よくしてたのは、青羽もお姉ちゃんに近づくためだったんだって思って、ショックで」
「やっぱりそうだったのか。誤解させるようなこと言って、本当に悪かった」
姿勢をもとに戻して頭を垂れる彼は、申し訳なさそうな表情で説明する。
「俺がそう言っておけば、直接香瑚のところに行かなくなるだろ。あいつらをお前に近づけたくなかっただけなんだ。そんなやり方しかできなくて、今はすごく後悔してる」
真実を知り、心のもやがすっきり晴れていくと同時に、こちらのほうが申し訳なくなった。
まさか、あの発言の裏にそんな狙いがあったなんて。全部私のためだったのに、勝手に勘違いして避けてしまった自分を心底恨む。



