「ご、ごめんね、紛らわしくて。でも、それなら連絡をくれればよかったのに」
「スマホの電池切れたんだよ。昨日から仕事に没頭してたら、充電するの忘れてた」
本当に連日多忙なんだなと苦笑がこぼれる。昼間会った時も、なんとなく顔に疲労が表れているように見えたし。
そんな中なのにこうして来てくれたんだ。ここまでされたら、否応なく彼の想いは伝わってくる。けれど、やっぱりちゃんと確かめたい。
「それで……こんなに必死になって止めに来たの?」
うるさいほどに胸が鳴るのを感じながら、少し身体を離して見上げる。汗を滲ませて情熱的な目をする彼が、ふっと切なげに微笑んだ。
「必死にもなるよ。好きなんだから」
さらりと告げられた〝好き〟の二文字に、胸がいっぱいになる。
「離れても、ずっとお前が心にいた。これからも、香瑚以上に好きな人なんてできやしない」
──ああ、彼も同じだったんだ。単純で難しいこの二文字を言えなかっただけで、心は繋がっていたんだね。
八年分の想いが、涙となって一気に込み上げる。唇を噛みしめ、今度は私から彼の首に抱きついた。
「スマホの電池切れたんだよ。昨日から仕事に没頭してたら、充電するの忘れてた」
本当に連日多忙なんだなと苦笑がこぼれる。昼間会った時も、なんとなく顔に疲労が表れているように見えたし。
そんな中なのにこうして来てくれたんだ。ここまでされたら、否応なく彼の想いは伝わってくる。けれど、やっぱりちゃんと確かめたい。
「それで……こんなに必死になって止めに来たの?」
うるさいほどに胸が鳴るのを感じながら、少し身体を離して見上げる。汗を滲ませて情熱的な目をする彼が、ふっと切なげに微笑んだ。
「必死にもなるよ。好きなんだから」
さらりと告げられた〝好き〟の二文字に、胸がいっぱいになる。
「離れても、ずっとお前が心にいた。これからも、香瑚以上に好きな人なんてできやしない」
──ああ、彼も同じだったんだ。単純で難しいこの二文字を言えなかっただけで、心は繋がっていたんだね。
八年分の想いが、涙となって一気に込み上げる。唇を噛みしめ、今度は私から彼の首に抱きついた。



