脇役だって、恋すれば

 教室の雰囲気にすっかり惹かれてしまった。講師の白人男性も優しそうだし。完全に写真の見た目だけで判断しているけれど。

 わくわくしながらホームページを眺める私に、慶吾さんはマップを見せて詳しい場所を教えてくれる。

「僕のマンションの近くなんだ。今夜はどう? 空いていれば当日の予約でも大丈夫だよ」
「あー、今夜は仕事が早く終わるか微妙で……。でも、近いうちに絶対行きます」

 たぶんここに決めるだろうな、と行く前からほぼ確信して意気込む私。慶吾さんは「そうか、了解」と微笑んだかと思うと、わずかに身を屈めて囁く。

「ついでに僕の部屋に来てくれてもいいんだが」
「それは遠慮します」

 若干身体を引いてすぐさまお断りすると、彼はおかしそうに笑い、カフェテリアとは別方向へ去っていった。

 ああ、わかった。さっきから私が動揺するのを見て楽しんでいたんだな、この人。紳士的なだけじゃない部分がどんどん見えてくると、人間味を感じて近寄りがたさがなくなっていく気がする。

 シンデレラヒロインっていうのは、こういうふうにハイスぺヒーローに惹かれていくのね……。なんて妙に納得しながら、急いでメニューを見て待っていてくれた皆のもとへ戻る。