脇役だって、恋すれば

 皆がいるところで個人的に呼ばないでくださいよ……!と物申したくなる。部長たちがにんまりしているし。

 とはいえ断るわけにいかず、いたたまれなくなりながらも通路の端に移動した。

 部長だけじゃなく、社員の方々にも好奇の視線を向けられて少々気まずい。この社長様が目立たないわけがないし、外部の女性が一緒にいたらそりゃあ注目されるだろう。

 その視線から逃れるべく窓のほうに顔を向ける私に対し、彼はなにも気にしていない様子で話し出す。

「ちょうど君がいたから、さっき話した英会話教室の場所を説明しておこうと思ってね。URLは送ったが、ちょっとわかりづらいんだ」
「もう送ってくださったんですね。ありがとうございます」

 移動中だったからスマホは見ていなかった。バッグから取り出すと、確かにメッセージが届いている。

 ホームページらしきURLをクリックしてみると、日の当たる四人がけのテーブルが置かれた北欧風の部屋の画像が出てきた。どうやらここが勉強の場らしい。

「カフェみたいにおしゃれな教室……! 少人数で受けられるのもアットホームでいいですね」
「ああ。ハロウィンやクリスマスにはパーティーをして、和気あいあいとやっているみたいだよ」
「え〜楽しそう!」