脇役だって、恋すれば

 慶吾さんとバトンタッチする形で、いつもの担当の方々と細かい部分を確認していく。実際にステージに上ると大勢の人に注目される気分になり、こういう舞台に立つ仕事は自分には無理だなと毎回思う。

 お姉ちゃんもここに立つのか……。ステージの真ん中辺りで足を止め、客席のほうや上の照明などを見回す。

 彼女が一番綺麗に見えるようにするにはどうしたらいいだろう。もちろんメインはゲームの映像なのだけれど、それに花を添える姉もやっぱり素敵だと皆に思ってもらいたい。

 自然にそんなふうに考えを巡らせていた私は、藤井さんのアニメのような可愛らしい声で我に返った。彼女が身振り手振りを交えて大事な話をし始める。

「当日、トレーラー映像を流した後、ゲストの方々にこちらでデモンストレーションをしていただこうと思っています。それ用の機材はこちらで用意できますので、照明や音響はグランウィッシュさんにお任せできればと」

「承知しました。外部のプロスタッフと連携して行いますのでご安心ください」

 部長が答え、私はノートにペンを走らせる。彼らが話す大事な情報をメモしている最中、ふとアイデアを思いついた。