脇役だって、恋すれば

 本当は私だって姉のことが好きで、遠ざけたくないのだ。

 彼女と一緒にいても胸を張れるくらい、自信を持ちたいという考えに変わってきた。これならきっと、新作発表会の仕事もうまくやれそうな気がする。

 自然な笑みがこぼれ、しっとりとしたチーズケーキにフォークを入れた。ほっとした表情で私を見ていた秋華は、その視線を宙に向ける。

「自分で気にしすぎて自信なくなるのわかるな〜。私もそうだったから」

 彼女は難病を発症した頃、とても落ち込んでしまい会うのもままならない状態だった。私とは比べものにならないほど重くつらい事情だけれど、深く共感してくれる。

「誰かひとりでもありのままの自分を受け入れてくれてるってわかると、それだけで自信って湧いてくるよね。香瑚の場合、そういう存在が新涼くんなんじゃないの?」

 悩んでいた高校時代、救ってくれたのは確かに青羽だった。私を利用しているようなあの発言が、もしなにかの誤解だったとしたら、大事な人を自分で遠ざけてしまったことになる。

 再び近づける奇跡が起こった今、もう選択を間違えたくはない。

 優しく諭してくれる秋華は、ちゃんと大切な人を見極められたんだろうな。