脇役だって、恋すれば

 複雑そうな顔をする彼女の言葉に、胸が少し締めつけられる。伏し目がちに小さく頷き、「私も、そう思う」と返した。

 彼女が言うのと同じ違和感を、私も再会してからずっと抱いていた。青羽に会うたび、女性を弄ぶような人ではないと思わされてばかりだから。

 あの日、私に拒絶されて見せた悲しそうな顔が、すべてを物語っているのかもしれない。

 一緒に夜道を歩いた時、あのままふたりきりだったら真相を確かめていたのに。

「お姉ちゃんが来なければ、その話もできてたと思うんだけどなー。ほんと空気読まないんだから」
「亜瑚ちゃんってテレビで見るまんまだよねぇ」

 フォークを持ったまま脱力すると、秋華は苦笑いしてフルーツがたっぷり乗ったショートケーキをぱくっと口に運んだ。

 茶化して話しているけれど、年上とは思えないほど無邪気な彼女の笑顔と、寂しそうな微笑みを思い出すと胸が痛くなる。ただ、自分の気持ちを吐き出せたのは前向きに捉えるべきなのかもしれない。

「でもわかったんだ。誰よりもお姉ちゃんと比べてるのは自分自身で、避けちゃうのはそういう嫌な自分になりたくないからだって。自覚したらちょっとラクになったよ」