脇役だって、恋すれば

「で、結婚式の時に言ってた、話したいことってなに?」

 今日の目的のひとつはそれを聞くこと。ひと息ついてから切り出すと、秋華は意味深に口角を上げて棚からなにかを取りこちらに持ってくる。

「ちょっとこれ見てみて」
「……アルバム?」

 手渡されたものは薄いフォトアルバム。とりあえず開いてみると、秋華の写真が何枚も納められていた。

 というか、秋華のワンショットしかなく、旦那様はどこにも写っていない。

「ん? 秋華しかいないじゃん」
「これね、桐人さんがせっせと作ってたコレクションなの。付き合う前から、私も知らない間に撮られてて」
「んんん!?」

 気になる部分が多くて、私はさらに首をかしげる。

 知らない間にって、隠し撮りってこと? しかも付き合う前から?

 怪訝な顔をしているだろう私に、秋華は少し困ったように笑う。

「写真だけじゃなくてさ。私のシフトも全部頭に入れて、行動も好みも私に話しかける男の人も全部把握してたの」
「えぇ? そ、それって、ストーカ──」
「じゃなくてヤンデレ」
「ヤンデレ!?」

 食い気味に復唱してしまった。唖然とする私に対し、秋華は「言っちゃった」とけらけら笑っている。